Chris Anderson 氏のベストセラー「ロングテール」は新しいビジネスの形、そして Web 2.0 の新しい見方を提案する。彼のプレゼンは以前見たことがあるが、今回本を実際に読んでさらに多くの事を学ぶことができた。特に面白いと感じたアイデアについて少し書いてみた。
まず、ロングテール現象から生まれるシステムは「確率的」であるという特徴は、ロングテールを理解する上で重要な要素だ。これはロングテール現象からイエス・ノーという答えを出すのは難しいが、全体的に見れば確率の高い答えを得ることができるという事だ。例えばプロとアマチュアというロングテールによって書かれた Wikipedia と今までの百科事典を比べてみると、一つのエントリーだけを見れば百科事典の方が質が高いかもしれないが、全体的に見た場合 Wikipedia の方が質の面でも情報量の面でも上回っている。これはロングテール現象が生むシステムの根本的な特徴の一つだといえる。
もう一つの特徴は、Head が経済的な要素によって動かされるのに対して Tail は非経済的な要素(例えば個人の世評・評価など)によって動かされるという事。そのため Head ではプロが活躍するが、Tail はアマチュアの舞台であることが多い。これが最も顕著に現れている例の一つはブログだ。経済的な利益を得ることができるのはごく一部の Head のブロガーだけで、大部分のTail では殆どの場合経済的な利益でなく個人の知識や情熱が原動力となっている。
ロングテール現象を理解する上でもう一つ重要なのが、Aggregator だ。彼らは膨大な Tail の情報を分かりやすくまとめ、そしてユーザーの必要とする情報を探し易くする役割を担う。Google や Amazon 、eBay や iTunes などは Aggregator のいい例だ。サーチ、カテゴリー、ランキング、ユーザーによるコメント、Recommendation システムなどは膨大な情報を整理するのに頻繁に使われるテクニックだ。
ビジネスだけでなく、ロングテールは例えば生活・文化に関連する現象を理解するのにも役立つ。是非お勧めする一冊だ。